静岡県を代表する景勝地・浜名湖は広さ65k㎡、最大深度16.6mの全国第10位の大きさの湖です。海水と淡水が交じる「汽水湖」浜名湖には、その豊かな自然や歴史、釣り等のアクティビティなど観光スポットもいっぱい。中でも注目は浜名湖の西側に位置する、湖西市新居町です!この地ならではの魅力的な体験スポットをご紹介します。
今切体験の里「海湖館」に行ってみた!
海湖館ってどんなところ?
今切体験の里「海湖館」は、浜名湖に面した海釣公園の中にある体験学習館。海釣公園には、新居弁天海水浴場、バーベキュー場などがあり、浜名湖の自然を満喫できるエリアです。
「海湖館」の目の前は、浜名湖が広がるさて、浜名湖を学ぶ体験展示室なども備えた「海湖館」では、季節限定の超人気体験があると聞き、興味津々。到着したのは午前10時過ぎでしたが、敷地内には早くも食事を楽しむ家族の姿が見られます。
「昨年は12時頃に来たんだけど、もういっぱいで体験できなかったんで、今年は早めに来たんですよ」とお父さんが教えてくれたその気になる人気体験とは…?
ゴールデンウィークや夏休みに開催!大興奮のさかなつかみ!
夏の人気体験といえば、主にゴールデンウィークと夏休みに開催され、大人も子どもも夢中になる「さかなつかみ体験」です!
※開催は不定期なので必ず開催日をご確認ください。
その日の朝に浜名湖で獲れた活きた魚を素手でつかまえる、というシンプルかつエキサイティングな体験は20分間、1人400円。魚は100g約400円~で、塩焼き、フライ、煮物に調理してもらえます(体験のみの人は600円)。この日は、アジ、ヒラメ、カンパチ、クロダイなど13種類の魚が登場し、活きの良さを物語るようにかなりのスピードで泳ぎ回っていました。
お魚が苦手な子どもも、いっぺんで魚好きになりそうな体験ですね!
一方、浜名湖ならでは体験として「うなぎつかみ体験」(要予約)も大好評。こちらは1匹4500円で、蒲焼体験までセットになっています。さすがにお値段が良いため参加者が限られる中、挑戦した5歳位の男の子の様子に密着しました。
泳ぐのはあまり早くないウナギですが、つかんだと思うとヌルリと手の中から抜け出てしまい、男の子は転びながらおおはしゃぎ。あたかもウナギと仲良くたわむれているよう(いや、ウナギは必死なのですが)。最後はぐったりとしたウナギがとらえられ、男の子の目の前でさばかれ、白焼き後、蒲焼が出来上がりました。
一連の工程が見られるのも、絶好の食育の機会となるにちがいありません。
蒲焼はとってもおいしそうでした…。
冬季も注目。ほかにもこんな体験が
ほかにも夏季限定体験として、シラスを大鍋で茹でる「しらす釜揚げ体験」1800円(生シラス200g)があるほか、大小いろいろな貝や流木でフォトフレームやストラップなどを作れる「クラフト体験」(200円~)は通年楽しむことができます。
さらに冬季(おおむね1~3月)には「牡蠣小屋」が誕生。
浜名湖産の大粒でプリップリッのカキをバーベキューコンロで焼き、ミルクのような濃厚な味わいを、天然の塩味で堪能できます。
- 今切体験の里「海湖館」
住所 | 湖西市新居町新居官有無番地 |
電話 | 海湖館 053-594-6624 ※体験メニュー(さかなつかみ、うなぎつかみ、釜揚げしらす)については、090-8186-1217(きらく市 榊原) |
営業時間 | 海湖館 9:00~17:00(夏休み期間中 ~18:00) 体験メニュー(さかなつかみ、うなぎつかみ、釜揚げしらす)9:00~14:00 ※開催は主にゴールデンウィークと夏休みですが、不定期なので必ず開催日をご確認ください。 うなぎつかみ体験は事前に予約をお願いします。 |
定休日 | 月曜(月曜日が祝日の場合は翌日) |
駐車場 | 400台(30分以内は無料、30分を超える場合は400円/日) |
アクセス | 国道1号浜名バイパス新居弁天ICよりすぐ |
ところで、今切体験の里の「今切」(いまぎれ)って?
浜名湖は海水と淡水が混じりあう汽水湖ですが、もとは海と隣接する単独の湖でした。それが海とつながったのは、室町時代1498年の明応地震(南海トラフ巨大地震)による津波によるもの。そのつながったポイントが「今切口」(いまぎれぐち)で、今切という地名は、文字どおり「今切れた」の意。以来、今切口は交通の要衝となり、その重要性を熟知していた徳川家康公は今切口周辺を天領(幕府領)にし、1600年には「今切関所」(通称「新居関所」)を設置。厳しい検問を実施していたのです…と聞けば、がぜん「新居関所」を見学してみたくなりますよね?
特別史跡「新居関所」(今切関所)も大注目
新居関所のココがすごい
そこでやってきました「新居関所(今切関所)」。実は、ここはなかなかすごい史跡なのです。当時、全国には53の関所があり、その最重要関所が「箱根・木曽福島・今切」でした。その上、全国で唯一現存する関所建物として、国の特別史跡にも指定されています。1600年に設置された後、地震や津波で移転を繰り返し、現在の建物は1855~1858年(安政2~5年)にかけて建てられたもの。現在は周辺が埋め立てられましたが、当時、関所は浜名湖に面しており、東海道を通行してきた旅人は関所の前の渡船場から船に乗り、舞阪まで移動していたそうです。
見どころはなんといっても、現存する建物です!明治政府は関所を廃止し、壊していきましたが、比較的建物が新しかった新居関所は小学校や役所に利用されたため、壊されずに残ったのだそう。装飾などは一切なく、実務的な建物内部には、「番頭(ばんがしら)」をはじめとする関所役人が座り、建物の外に並ぶ旅人の手形を確認していたそうです。鉄砲や弓、刺股(さすまた)などの武具に、当時の緊迫した関所の雰囲気を想像することができますね。
構内整備が進み、2020年から「女改之長屋」の見学開始
「新居関所」では近年、構内整備が進んでいます。そのための発掘調査なども行われ、かつての姿をできる限り復元するために道路を動かすなど、かなり力を入れている様子がわかります。関所の門として高麗門が復元されたほか、2020年4月からは、関所を通行する女性を取り調べる改女(あらためおんな)の住居である「女改之長屋」が一般公開されています。
貴重な資料が残る史料館も見逃せない
せっかくですから、隣接する「新居関所史料館」にもぜひ足を延ばしてみましょう。ここには、新居関所の由緒や業務内容などをこまかく記録した「今切御関所留」や、女性の通行を厳しく取り締まるための「女手形」など、貴重な資料を見ることができます。
関所破りは重罪で、自由に往来のできなかった江戸時代の人々の生活を考えると、どこにでも行ける現代の私たちは幸せだなと痛感しますね。史料館では、番頭の顔はめパネルや、新居関所の絵葉書なども用意されています。新居町での記念に、ぜひいかがでしょうか?
- 特別史跡新居関所
住所 湖西市新居町新居1227-5 電話 053-594-3615 営業時間 9:00~16:30 閉館日 月曜(祝日の場合は開館)、年末年始 ※8月は無休 拝観料 大人400円、小・中学生150円 駐車場 33台(普通車) アクセス JR新居町駅から徒歩約8分、東名浜松西ICから約30分