富士と駿河湾を望む東海道の名所 薩埵峠
静岡県清水区由比にある「薩埵峠」。
駿河湾に突き出した山の裾にあるこの峠は、歌川(安藤)広重の東海道五十三次「由井」にも描かれており、由比宿と興津宿の間に位置しています。
今では歩道や落石防止柵などの整備が進んでいますが、昔は東海道の難所。当時(江戸時代)は、この東海道を提灯の明かりの中、険しい峠を何人もの商人や旅人たちが峠越えをしてきたのでしょうか。
峠から見下ろせば、現在は東海道本線、国道1号、東名高速道路が峠の麓で重なり、燦然と広がる駿河湾と伊豆半島、そして雄大な富士山を一望できる圧巻のビュースポット。
夜になれば、走る車の幻想的な光跡を撮影できるいうことで、SNS映えを狙って地元民だけでなく静岡県外の観光客からも注目を集めています。
薩埵峠展望台付近では、富士山や駿河湾が織り成すダイナミックな風景をお目当てに、昼夜問わずたくさんの観光客が撮影に夢中になっています。
ここには、薩埵峠からの眺望を楽しみにする、県外ナンバーの車がずらりと並びます。眼下に広がる駿河湾や伊豆半島、そして霊峰富士の姿に、心落ち着く観光客も多いのではないでしょうか。まるで絵画のような世界が目の前に広がります。
名所は迷所。行き方は?迷いやすい?!
さて、「薩埵峠」は人気のスポットとはいえ、道中迷う方も多いとのこと。看板は要所要所にありますが、案内板が小さいので見逃さないようにしてくださいね。
散策の際はスマートフォンの地図アプリなどで位置情報を確認しながら進むことをお勧めします。
◆◆興津駅から展望台まで
・薩埵上道コース・・・約3.4km・徒歩約50分
・薩埵中道コース・・・約2.9km・徒歩約45分
※国道52号を利用すると、白髭神社近くのトイレまでは一般車両やマイクロバスでも行くことができます。
◆◆由比駅から展望台まで・・・約3.7km・徒歩約50分
※由比側から展望台近くの駐車場までの道幅が狭いため、大型車両での通行はできません。
国道1号線から旧東海道へ入るポイントには、目立つ看板がありませんので、道を間違えないようご注意ください。
風情ある歴史を歩く。設備も充実したハイキングスポット
興津駅から由比駅まで、薩埵峠を含むハイキングコースが整えられています。歴史に思いを馳せながら、のんびりと由比の名所を歩いてみませんか。
情緒ある町並みに郷愁を馳せる「漁師町由比」。
さて、由比の旧東海道近辺は、いまも宿場町としての趣がのこる情緒有る町並み。
かつて、東海道五十三次(江戸時代)は由比の断崖を海岸線に沿って進む必要があり、古くから「東海道の親不知」とも呼ばれたそうですが、今では趣を残しつつ整備が進んでおります。
東海道由比宿の宿場町であり漁師町。このあたりも散策してみると歴史的な古い構造物があったりと楽しめます。
薩埵峠の周辺施設。由比漁港は桜えびの水揚げ量、日本一!
由比駅の近くには、国道1号線からすぐにアクセスできる由比漁港があります。
日本一の桜えびの水揚げ量を誇る由比漁港。
由比漁港入り口では、桜えびのオブジェが出迎えてくれます。
漁港には穏やかな水面に揺れるたくさんの漁船が停泊しています。
由比港漁協直売所では、桜えびやしらすなど由比の特産品を取り扱っており、直売価格でお得に購入できるのが嬉しいですね。ご自宅用はもちろん、おみやげにもきっと喜ばれますよ。
鮮度バツグン!駿河湾の宝石「桜えび」に舌鼓。
さて、前述したように日本の「桜えび」のほぼ100%が静岡県駿河湾で水揚げされているようです。3,4センチほどの小さなエビですが、ぎゅっと旨味と風味が詰まった希少な桜えび。せっかく薩埵峠に来たのですから駿河湾の宝石、食べたいですよね?
グルメ漫画にも登場する「桜えび、磯料理のくらさわや」は、JR由比駅から車で3分、情緒ある町並みが残る旧東海道沿いにあります。遠方からのお客様も多く訪れるそうです。
特に、「生桜えび」や桜えびかき揚げが人気!
生桜えびは、風味豊かな香りと凝縮された旨味が特徴的。香ばしいかき揚げもおすすめです。
薩埵峠を歩いて程よく汗をかいた後は、近海の幸に舌鼓を打ちながらお腹を満たしてくださいね。