日本が誇る世界文化遺産・富士山。静岡県富士宮市は、その雄大な姿を間近に見られるまち。市内には、富士山の自然、信仰、芸術にまつわるさまざまな構成資産があります。富士急静岡バスが運行する富士宮市内定期観光バス「強力(ごうりき)くん」を利用して、効率よく構成資産をめぐりましょう。
現地でのガイドも!富士山世界遺産構成資産めぐりにおすすめの定期観光バス「強力くん」

富士急静岡バスが運行している富士宮市内定期観光バス「強力くん」は、富士宮市内にある富士山世界遺産の代表的な構成資産をめぐる定期観光バス。午前ルートと午後ルートがあり、1日乗車はもちろん、午前のみ、午後のみの乗車も可能です。車内では、コースで立ち寄るスポットのガイダンスが日本語と英語で流れます。さらに山宮浅間神社、村山浅間神社、富士山本宮浅間大社、人穴富士講遺跡では、現地スタッフのガイド付き。それぞれの施設について案内をしてくれます。



今回は、午前ルートから山宮浅間神社、村山浅間神社、午後ルートから人穴富士講遺跡、富士高砂酒造をピックアップしてご紹介します。
山宮浅間神社 古代の富士山信仰の形を今に伝える浅間神社の起源

浅間大神(あさまのおおかみ)と呼ばれる「木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)」を祀る浅間神社。全国に1300ほどあると言われる浅間神社の総本宮、富士山本宮浅間大社の社伝によれば、その起源はこの山宮浅間神社にあると伝えられています。
紀元前27年頃には、富士山の噴火を鎮めようと浅間大神を祀っていましたが、当時は山足の地と呼ばれる富士山の麓を転々としていたといいます。山宮浅間神社は、110年、日本武尊が(やまとたけるのみこと)が東征の際、浅間大神を祀った場所とされています。その後、806年に征夷大将軍坂上田村麻呂が現在のに浅間大神を遷しました。それ以来、もともと浅間大神を祀った浅間神社(元宮)は、里にある富士山本宮浅間大社に対して、山にある山宮浅間神社となりました。




参道を進み階段を上ると、玉垣で囲まれた遙拝所があります。山宮浅間神社には本殿がなく、富士山そのものをご神体として拝みます。遙拝所の中には、祭壇や儀式を執り行う役職者の席などが溶岩を並べて区切られています。




【山宮浅間神社】
住所:〒418-0111 静岡県富士宮市山宮740
電話:0544-58-5190(案内所 ※土日祝日の10:00〜15:00)
営業時間:境内自由
料金:境内無料
駐車場:あり
ホームページ:https://fujinomiya.gr.jp/guide/1159/
村山浅間神社 神仏習合の名残、大日如来が祀られる修験道の一大拠点

富士山崇拝などの山岳信仰と仏教が融合した、日本独特の宗教観を持つ修験道。村山浅間神社は、江戸時代は神仏習合の冨士山興法寺と称していましたが、明治時代の初めの神仏分離令により、村山口登山道の起点(根元)に由来する冨士根元宮村山浅間神社と大日堂に分かれました。




かつての冨士山興法寺の中心的なお堂だった大日堂。内部には鎌倉時代の作と伝わる大日如来座像などが安置されています。
大日堂の周辺には、修験者が富士登山の前に禊ぎを行った水垢離場や、護摩壇など、修験場としての遺構が今も残されています。毎年7月10日の富士山開山祭・入山式では、ここで水垢離や護摩炊きの儀式が執り行われます。




【村山浅間神社】
住所:〒418-0012 静岡県富士宮市村山1151
電話:0544-26-6713(案内所 ※土日祝日の10:00〜15:00)
営業時間:境内自由
料金:境内無料
駐車場:あり
ホームページ:https://fujinomiya.gr.jp/guide/1163/
人穴富士講遺跡 江戸時代に隆盛を極めた富士講の聖地

噴火が沈静化してきた平安時代末期頃から、富士山は遠くから拝む対象だけでなく、霊力を手に入れるための登拝の山として、多くの修験者が山頂を目指すようになりました。江戸時代中期になると、講と呼ばれる仲間で積み立てたお金で、仲間のの祈念を託された代表者が富士登山をする富士講が盛んになっていきました。富士講の開祖、長谷川各行が籠もって修行をし、悟りを開いたことから、人穴は富士講の聖地となりました。人穴富士講遺跡には、各行が修行した溶岩洞窟の人穴、人穴浅間神社、富士講の人々によって建てられた先達の供養碑や祈願奉納碑、登拝の顕彰祈念碑などが建ち並ぶ碑塔群があります。




【人穴富士講遺跡】
住所:〒418-0102 静岡県富士宮市人穴206
電話:0544-52-1620(案内所 ※土日祝日の10:00〜15:00)
営業時間:境内自由
料金:境内無料
駐車場:あり
ホームページ:https://fujinomiya.gr.jp/guide/1173/
人気の酒蔵・富士高砂酒造 清らかな富士山の湧き水で伝統的な酒づくりを行う

結婚式で謡われる謡曲「高砂」にその名が由来すると伝えられる富士高砂酒造。江戸時代、東海道を行き来していた近江商人の山中正吉が、能登の杜氏とともに、この地に酒蔵を構えてから間もなく200年を迎えます。仕込み水は、100年という長い年月をかけて湧き出る富士山の伏流水を使用しています。ここでは、今では日本酒全体の3%ほどしか生産されないという、伝統的な山廃仕込みによる酒をつくり続けています。蔵には売店を併設。代表銘柄の「高砂」をはじめ、日本酒で仕込んだ梅酒、飲みやすさで女性にも人気の果実酒やヨーグルト酒、ウイスキーやスピリッツなど、さまざなま商品を購入できます。




富士宮市内定期観光バス「強力くん」では売店への立ち寄りだけとなりますが、富士高砂酒造では、事前予約制で蔵見学をすることができます。敷地内で汲み上げる富士山の伏流水や、仕込み、貯蔵のこだわりなど、実際に蔵をめぐりながら話を聞くと、日本酒への興味がさらに湧いてきます。





【富士高砂酒造】
住所:〒418-0055 静岡県富士宮市宝町0-25
電話:0544-27-2008
営業時間:平日9:00〜17:00、土・日曜、祝日10:00〜17:30
定休:1月1日・2日
駐車場:あり
ホームページ:https://fuji-takasago.com/
※蔵見学は事前に予約が必要(上記電話番号から予約申し込みをしてください)
所要時間:約45分(10:00〜15:30の間で受付)
料金:無料
まとめ
富士山の麓に点在する、富士山世界遺産構成資産を効率よくめぐるには、富士急静岡バスが運行する富士宮市内定期観光バス「強力くん」が便利です。構成資産をめぐると古代の富士山信仰や修験者の修行の場としての歴史を知ることができ、富士山が世界文化遺産に登録された理由をより深く理解できます。間近で見る迫力満点の富士山ビューはもちろん、富士山がつくりだした美しい自然を体感しながら、「強力くん」で、快適な旅を過ごしてくださいね。

今回はこんな行程で楽しんできました(2025年3月9日現在)
※( )内は見学時間
※繁忙期・年末年始は運行日を変更する場合があります。詳しくは富士急静岡バスホームページでご確認ください。
【午前ルート】
9:30 富士宮駅バス乗り場発① → 山宮浅間神社②(30分) → 村山浅間神社③(30分) → 富士山本宮浅間大社④(30分)→ 12:35 富士宮駅バス降り場着⑤
【午後ルート】
13:00 富士宮駅バス乗り場発① → 白糸の滝②(30分) → 田貫湖③(15分)→ 人穴富士講遺跡④(25分) →富士ミルクランド⑤(20分) → 富士高砂酒造⑥(30分) → 富士山本宮浅間大社⑦(30分) → 17:10富士宮駅バス乗り場着⑧