静岡県を代表する景観のひとつ、富士山と茶畑。富士市大淵地区にある大淵笹場は、近代的な人工造形物に視界を遮られることなく、富士山と茶畑を一望できる県内でも数少ない景観スポットです。その風景の美しさから撮影ポイントとして人気を集めていますが、お茶どころならではの魅力も盛りだくさん。日本の原風景ともいえる美しい眺望とお茶の魅力を堪能しに出かけてみませんか。
見頃はいつ? 一度は見たい!静岡を代表する富士山と茶畑の景観スポット
大淵笹場は新東名富士インターチェンジから車で約10分、東海道新幹線・新富士駅からレンタカーで30分程度と、首都圏からでもアクセスしやすい距離にある茶園。ここは、お茶栽培と合わせ、富士山と茶畑の美しい景観を楽しんでもらおうと、観光茶園として無料開放されています。

大淵地区を含む富士山の南麓は、江戸時代から茶栽培が盛んな地域として知られ、その様子が葛飾北斎の富嶽三十六景「駿州片倉茶園ノ不二」に描かれたとされることでも有名。
笹場はこの絵図に描かれた場所とは異なりますが、当時と変わらないのどかな茶園の風景が保全されており、電線やビルなど近代的な人工造形物に視界を遮られないその美しい景観は、静岡を代表する風景として企業の広告などにも多く採用されています。

四季折々に表情が変わるので、いつでも楽しめますが、おすすめの見頃は、茶摘みの時期、4月中旬から5月上旬の新茶(一番茶)が光る時期。
さらに、雲の少ない青空にすっきりとした富士山を望むなら午前中の訪問がおすすめです。
また、季節や時間帯によって富士山の表情も異なるので、夕方など別の時間帯に訪れるとまた違った魅力を体感できます。何度足を運んでも心が癒やされます。

歴史ある富士の茶栽培。一面に広がる茶畑の風景を未来に残すために
静岡県の特産品と聞いてお茶を思い浮かべる人も多いはず。大淵笹場も、富士市は温暖な気候と地形・土壌が茶栽培に適していることから、県内でも有数なお茶の生産地です。
一方で、近年はお茶の消費量低下や農家の高齢化などの理由で、存続が難しく農地が荒廃してしまう課題も抱えています。
大淵笹場も半世紀以上にわたり数軒の農家によって保全されてきましたが、地域の宝であるこの風景を守ろうと、新たに、地区の有志が集まり「大淵二丁目ささば景観保存会」を発足。保存会が主体となり茶畑の整備や周辺施設の共同管理をしています。
そのおかげでこの景観が守られているのですね。
訪問時には、貴重な景観を守ってくれる農家さんや有志の皆さんの気持ちに応えられるようルールを守りましょう。

ゆっくりくつろぎながら景観とお茶を楽しむなら「茶の間」がおすすめ

そして美しい景色と併せて楽しみたいのが、淹れたての静岡茶を味わえる体験プログラム「茶の間」です。茶畑内に設置されたプライベートテラスでじっくりと景観とお茶を楽しめるとっておきの空間。この「茶の間」は静岡県内6カ所の茶畑で展開されています。
大淵笹場はその一つで、笹場で収穫した茶葉で入れたお茶を絶景の富士山と共に楽しむことができます。

事前予約制のプライベート空間なので、ゆったりと贅沢な時間を過ごせるのが魅力。
体験では煎茶とほうじ茶、紅茶、焼き菓子が入った「茶の間セット」が付きます。目の前に広がる景色を楽しみながら味わうお茶とお菓子は格別です。

緑茶だけでなくほうじ茶、紅茶のいずれも笹場で収穫された茶葉を使用。
笹場は標高338mに位置し、寒暖差がある霧深い地域。そこで育つたくましい茶葉は、香り良く、甘みがしっかりとしているのが特徴です。渋みや苦味の少ない贅沢な味わいをぜひ堪能してください。



【富士山の茶の間】
運営会社:AOBEAT(アオビート)
場所:静岡県富士市大淵1445 大淵笹場敷地内
料金プラン:4000円/1名(120分貸切、茶の間セット付き)
予約:公式URLから受付「茶の間」
無料の試飲やおすすめのオリジナルグッズで思い出作りを
茶園見学に訪れたら、大淵笹場の売店にも立ち寄ってみましょう。
売店では各種体験プログラムの受付のほか、オリジナルグッズや茶葉の販売を行っています。
笹場で収穫されたお茶の無料試飲も用意されているので、ぜひ味わってみてください。



売店ではおみやげにぴったりなオリジナルグッズがたくさん揃っていますので、おすすめの商品を紹介します。
笹場で収穫したお茶を味わえる茶缶「ささば缶」。
笹場のお茶や景観、植物などをモチーフにデザインされたパッケージが目を引きます。紅茶と煎茶の2種類あり、いずれもティーバッグなので気軽にお茶を楽しめます。

富士山をイメージしたデザインが印象的な「ロゴ入りCNFコップ」もおすすめ。
こちらは、植物を原料とする細かい繊維でできたセルロースナノファイバー(CNF)を素材に使用しています。プラスチックのように軽くて丈夫なのに、紙としてリサイクルできるのが特徴です。耐水性や耐久性に優れているので何度も繰り返し利用可能。製紙業が盛んな富士市ならではの環境に配慮されたコップで、おみやげにもぴったりです。

ほかにもロゴ入りのTシャツや手ぬぐい、エコバッグ、トートバッグなどオリジナルグッズが並んでいるので、ぜひ覗いてみてください。

茶摘みなどの体験プログラムも。お茶を楽しみ尽くそう
大淵笹場では茶の間体験以外にも伝統的な茶摘み衣装に着替える「茶娘体験」(1名2000円)や「茶摘み体験」(4・5月1名1000円)といった体験プログラムが用意されています。
茶摘み体験はお茶の生育状態によって受付けできない場合もあるので、事前の問合せが安心。詳細は公式サイトに掲載されているので確認してみてくださいね。


まとめ
静岡県を代表する存在の「富士山」と「お茶」。
大淵笹場は茶畑と富士山を同時に眺望できるスポットとして、多くのメディアに取り上げられており、プロもアマチュアも含めてカメラマンにも人気を集めています。
この旅を通じて、その美しい景観はもちろん、お茶の持つさまざまな魅力にも存分に触れることができます。ぜひ出かけてみてください。

【大淵笹場】
住所:静岡県富士市大淵1376-1
営業時間:園内自由※売店は10:00〜16:00
(季節により変動あり)
定休:無休(売店は平日も営業しています)
問合せ:公式LINEから受付
富士山観光交流ビューロー(TEL:0545-64-3776)
駐車場:あり(大型バス駐車場の利用は要事前連絡)
茶摘み体験・公式サイト:富士山と茶葉の郷「大渕笹場」