2019年にリニューアル! 浜松科学館「みらいーら」
1986年の開館以来、多くの子どもたちに科学の魅力を伝え、2019年夏にリニューアルした浜松科学館。自然や音、光などをテーマにした展示や体験、サイエンスショーなど、子どもはもちろん、大人も楽しめる科学館に今回はスポットを当ててみます。
駅から徒歩7分という立地ながら、広い芝生エリア、アスレチックのあるサイエンスパークも隣接。
1階、まずは自然ゾーンから
館内に入ると目の前に広がる近未来的なエントランスに圧倒されます。
館内の展示は「自然」「光」「宇宙」「音」「力」という5つのゾーンと「新技術」のコーナーに分かれ、実際に見て、触れて、体験し学べるよう工夫されています。
1階の「自然ゾーン」では、スクリーンに映し出された浜松の観光名所の写真に触れるとそこに棲息する生物や解説が表示されたり、植物や石、昆虫の標本をデジタルスコープや顕微鏡で見たり。マクロからミクロの世界までさまざまなスケールで浜松の生態系を直感的に触れながら、学ぶことができます。
公式アプリ「浜松科学館 コンパス」の会員登録をすれば、体験ログなど記録データも残り、クイズや教室への参加、来館の各ポイントを貯めるとグッズももらえるそう。ハマる大人が多いというのも納得です。各展示の原理解説もアプリなら、さらに違う発見に出合えることも。
2階、「力・音・光・宇宙」体感できるスポットがずらり
2階中央に位置する〝みらいーらステージ〟では、サイエンスショーも行われます。そして、ステージを囲うように「力」「音」「光」「宇宙」の各ゾーンが設置され、物が動く物理的法則、音の聞こえる仕組みや技術、光の現象や未来の宇宙開発を紹介するなど、日常生活の中にあふれるさまざまな科学の仕組みを分かりやすく展示しています。
「YAMAHA」「SUZUKI」「Roland」など、浜松を代表する企業の技術や研究者、開発エピソードの紹介も地元ならでは。
車やバイクの運転、ボート操縦体験など、子どもだけでなく、大人の好奇心をもそそる展示ばかりで時間が経つのもあっという間。
遊びながら学べる。地元企業の高い技術力を再認識し、浜松の誇りを感じられる展示でした。
3階、県内最大級のプラネタリウム。直径20メートルの大型ドームに輝く満天の星たち
みらいーらの中でもぜひ体感してもらいたいのが3階にあるプラネタリウム。直径20メートルと県内最大級、定員190席(2/19現在は130席)の大型のプラネタリウムドームです。
星空を写すのは場内中央にある光学式投影機。本物に近い映像星空を投影できるそうです。
星座の絵や宇宙空間の迫力ある映像を映し出すのが壁面に設置された6台のプロジェクター。ドームスクリーンに6分割された映像を投影し、それらを合わせて一つ大きな映像を作り出しています。傾斜型シアターということもあり、視野全体が映像で包まれ、臨場感や没入感もたっぷり。バレンタインなどイベント時には特別仕様の映像を投映するなど細かな演出も心憎いですね。
そしてもう一つ、ここの大きな特長が、番組投映に合わせ、スタッフがその場で解説を行う〝生解説プラネタリウム〟各番組はスタッフが約3カ月を掛けて制作するオリジナルというから驚きです。
その日の夜に浜松で見られる星空の解説に始まり、天文宇宙に関する旬の話題を紹介する「テーマ解説」の2部構成で行われるプログラムは約45分間。
「これまでの人生で満天の星を見たことありますか?」
ライトダウンした星空にはたくさんの星座が広がり、一気に満天の星空へ。オレンジや白に輝く星など表面温度による見え方の違いや、ギリシャ神話にまつわる星座など、夜空で星を見る楽しみをたっぷりと教えてくれます。
プラネタリウムは現在を中心に過去から未来、前後100万年の星空を再現することができ、今回は約440年前の星空へとワープ。「家康公が見た星空」をテーマにした投映を観覧しました。見上げるのは1573年の夜空、牡牛座は釣り鐘星、カシオペア座は山形星など、家康公が見ていた頃と呼び名は違えど、星の並びは今もほぼ変わっていないそう。長い年月をかけて地球に届く星の光。440年前に家康公が見ていた景色は今と違っても、ほぼ同じ星空を今でも見られるというのはなんとも言えない不思議な気分ですね。
そのほか大人限定で、毎月第3金曜日に開催されている「夜の科学館」の特別番組「STAR FLIGHT」では、バリ島やオーストラリアなど世界の星空を案内。月に一度の旅するプラネタリウムで旅行気分を味わってみては。
科学を味わう?! 見て、食べて、楽しむライブラリーカフェ
館内1階にある「S.O.W.」はライブラリー。靴を脱いで寛げるスペースやテラス席もあり、子どもと一緒に本を読んだり、調べものをしたりと誰でも気軽に利用できる開放的な空間です。
子どものためのお出かけが、実は大人の方が意外と楽しめました。そんな声も多く聞かれる浜松科学館「みらいーら」。ぜひ足を運んで科学の魅力を体感してみては。
<DATA>
■浜松科学館 みらいーら
所在地:静岡県浜松市中央区北寺島町256−3
TEL:053-454-0178
アクセス:JR東海道本線「浜松駅」から東へ徒歩約7分/東名高速道路「浜松IC」より約25分、「浜松西IC」より約30分
開館時間9:30~17:00 (入場は16:30まで)※夏季の一部の期間は9:30~18:00 (入場は17:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)※年末年始ほか夏季の一部の期間は月曜日も開館