須山浅間神社

裾野市須山にある須山浅間神社は、全国にある浅間神社の一社で、20136月に富士山世界文化遺産構成資産の一部としても登録されている神社。

鳥居をくぐると両脇には樹齢400年を超える杉の木が並び、厳かな雰囲気のなか参拝者を迎え入れてくれます。

もちろん個人でも自由に参拝できますが、せっかくの機会、富士山信仰の歴史に詳しい地元ガイドさんによる特別拝観を体験してはいかがでしょうか。詳しくご紹介していきます!

歴史ある社殿を拝観

参拝道を上がり、右手にあるのが古宮。まずはこちらから、富士山裾野ガイド協会・静岡県登録富士山世界遺産ガイドの根上眞治さんに案内していただきました。

須山浅間神社
富士山裾野ガイド協会・静岡県登録富士山世界遺産ガイドの根上眞治さん
須山浅間神社
慶長161611)年に造営された旧本殿

こちらは慶長16(1611)年に造営された旧本殿。保存状態も良く、当時のままの姿を今に残しています。須山浅間神社最古の棟札(建築や修繕の記録として梁などに付ける札)と言われる社殿に残る棟札には、「大永4(1524)年」と記されており、遅くともその時代には存在していたことが分かります。

また、境内には樹齢400年を超える杉の木が18本あるのですが、その中の一本、高さ48m、胴回り8mもある杉の木は樹齢500年以上といわれ、御神木として祀られています。

須山浅間神社
中央にあるのが御神木

昭和51年当時の杉の年輪から、1600年頃からこの地に植えられていたことがわかっており、神社の歴史を裏付けています。室町、戦国時代には源頼朝や武田信虎・勝頼、今川家らが戦勝祈願のために訪れ、徳川時代には小田原城主から毎年奉幣もされていたそうです。

須山浅間神社
年輪を刻む樹齢380年の杉
須山浅間神社
社殿

参拝道を登ると正面に見えるのが社殿です。

須山浅間神社
パワースポットとしても人気

建物は手前に拝殿、一段上がって幣殿、一番奥に本殿とそれを覆う覆殿があります。現在の拝殿と幣殿、覆殿は2012年に改装されたものですが、本殿は文政6(1823)年のもの。塗り替えられキレイに保存されています。特別拝観ではこちらの拝殿で、ガイドさんのお話を伺います。

富士山を御神体に木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を御祭神として祀るこちらの神社。拝殿に座ると不思議と心が落ち着き、ガイドさんのお話のあともこの場を離れられない人や、話を聴きながら涙を流す方もいるそう。パワースポットとして人気があるのも納得……目には見えない力を与えていただける場所なのかもしれません。

富士山須山口登山道の起点として栄えた江戸時代

鎌倉時代から室町時代には須山口の存在が確認されていて、1883年に御殿場口登山道が拓かれるまでは主要登山口の一つでした。宝永4(1707)年に宝永噴火で登山道、社殿ともに甚大な被害を受けたそうですが、登山道は部分的に経路を変えて、安永9(1780)年に復興しました。

拝殿には寛政12(1800)年の句会に寄せられた当時の俳句も残されています。

須山浅間神社
拝殿に飾られた寛政12年の俳句

この1800年というのは庚申(かのえさる)の年。富士山の誕生年と言われる60年に一度のこの年を「御縁年」と呼び、この年に登山すると今までの不浄を洗い流し、その後を清らかに過ごせると言われたそう。この年には5398人もの登山者がいたという資料が発見されているといいます。

1回の登山で33回分のご利益があるとも言われる「庚申御縁年」。次回は2040年。体力に自信がある方は、ぜひこの須山浅間神社から登山をしてみてはいかがでしょうか。

御神木に囲まれた裏山を散策しよう

境内には社殿を囲むように散策路があり、足元では約30種もの山野草を見ることができます。境内の杉には毎年5〜6月頃になるとセッコクという蘭が咲くので、ぜひ目を上にも下にも向けてみてください。

須山浅間神社
裏山から見る社殿の屋根。ここは鰹木が6本、偶数なので女神です

裏山から見る社殿の屋根は、その造りを見るだけで祀る神様の性別が分かるのだとか。屋根の上に並ぶ丸太のような「鰹木」の数(偶数だと女神)や、十字のように組まれた「千木」の削ぎ方によって、女神、男神の区別がつくそうです。

まだまだ続く、須山浅間神社の見どころ

SNSでも話題! ハート型の小窓がある石灯篭

須山浅間神社
一見、普通の石灯篭のようですが……

こちらは寛保2(1742)年に奉納されたもので、石段を登った左側にあります。このハート型、実は「猪目(いのめ)」といい、日本では古くからある文様。イノシシは火伏の神様の使いとも言われ、火除け、魔除けの意味合いがありますが、当時は武将の戦勝祈願のために用いられていたようです。

火の神として知られる木花咲耶姫

火の神(火伏の神)として有名な木花咲耶姫ですが、女性の守護や安産、縁結びの神とも言われているため、石灯篭と社殿の間に立って写真を撮れば、そのご加護を受けられるかも。

須山浅間神社
石灯篭と社殿の間でパチリ

ここで写真を撮ったカップルのなかには、その後めでたく結ばれ神社で挙式。子宝にも恵まれ、今も100日ごとに参拝している……という方もいるそう。

逆さ浅間神社

そして、手水舎に映る「逆さ浅間神社」。よく晴れた日、手水舎から携帯で社殿を写すと……

須山浅間神社
何を撮影しているかというと……
須山浅間神社
これはお見事な逆さ浅間神社!!

キレイな逆さ浅間神社を収めることができます。

季節を感じられる御朱印

須山浅間神社
リピーター続出の御朱印

そのほかに人気なのが、毎月替わる御朱印(300円)。

1月には干支、2月は椿、3月は菜の花、4月は桜など、季節に応じて替わるかわいらしい御朱印にリピーターも続出。御朱印に合わせた手作りの花もぜひ見てくださいね。

須山浅間神社
御朱印の柄にあわせた手作りの花にも注目

おみくじミルキーで運試し♪

そして、こちらも。地元工場の不二家さんから奉納されているおみくじミルキー。

須山浅間神社
不二家さんから奉納されたミルキーで運試し

包紙に大吉、吉、四つ葉のクローバーが出ればラッキー。おいしくてうれしくてついつい自慢してしまうこと間違いなし。

須山浅間神社
実際に光が差し込んだ時の画像を見せていただきました

そのほか、本来であれば光が当たるはずのない古宮に、毎年3月と9月のみ差し込む陽の光など見応え十分。

お土産には「猪目」「木花咲耶姫・桜」「宝永・富士山」をモチーフにした、このはなクッキーが付きます。

須山浅間神社
ここでしか手に入らないお土産が嬉しい

個人での拝観では見つけられない見どころを、たっぷりと教えてもらえる特別拝観。初めて訪れる方はもちろん、再訪の方もきっと新しい発見ができるはず。ぜひ体験してみてはいかがでしょう。

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■須山浅間神社
所在地:裾野市須山722
お問い合わせ:裾野市観光協会/055-992-5005
設定日:1日2回 10:30〜、14:00〜
所要時間:団体50分、個人40分
料金:1200円(団体10名以上・1000円/1名)
定員:1〜40名(1回)