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ホームスポット江戸時代の旅人気分で歩く!“現代版”駿州・丸子宿と藤枝宿の楽しみ方

江戸時代の旅人気分で歩く!“現代版”駿州・丸子宿と藤枝宿の楽しみ方

江戸時代の旅人が歩いた東海道。静岡県の静岡市と藤枝市にまたがる「駿州二峠八宿」には、当時の街道や宿場町の面影が今なお残るエリアがあり、日本遺産【日本初「旅ブーム」を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅 〜滑稽本と浮世絵が描く東海道のガイドブック(道中記)〜】に認定されています。中でも江戸時代の建物や街道名物が残る、丸子宿から藤枝宿の見どころスポットを紹介します。

「駿府の工房 匠宿」で、江戸時代以前から駿府で受け継がれる伝統工芸を体験

山あいの静かな環境に囲まれる「駿府の工房 匠宿」

駿州の二峠八宿をめぐるには、公共交通機関を利用すると便利です。丸子宿へはJR静岡駅から路線バスで約40分。山あいに佇む「駿府の工房 匠宿」は、現在の静岡市周辺で長年受け継がれてきた駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)をはじめ、木工、漆、染めもの、陶芸など伝統工芸の作品づくりができます。

豊富な体験メニューが揃う体験工房。職人の技を間近で見ることもできます
体験ではつくりたい作品を選んで申し込みます。小物入れや花器などは手軽に体験でき人気です
体験する作品は、必要な材料と組み立ての説明書がセットになっています
竹ひごのしなりを利用して、上下の輪に開けてある穴に1本ずつ差し込んでいきます
「置き風鈴 初風」(所要時間40分)が完成しました

駿河竹千筋細工は、細い竹ひごを使った工芸品。元和6(1620)年頃にはつくられていて、当時は駿河細工と呼ばれていたと伝わります。その後、鈴虫籠や菓子器が駿府のみやげ物として人気となりました。全国各地に伝統的な竹細工はありますが、駿河竹千筋細工の特徴は、丸く削った細い竹ひごが使われていること。これは、籠の中に入れた鈴虫に傷をつけないようしたためとか。匠宿では、20分から60分ほどで作品づくりを体験できます。

手仕事のよさが感じられる作品が揃う「ギャラリーTeto Teto」
「工房 星と森」内にある模型工房

匠宿には食事やお茶の時間をゆったり過ごせるカフェや、民芸品や工芸品、モダンな日用品を扱うギャラリー兼生活用品店「Teto Teto(てとてと)」、静岡県内の逸品をおみやげとして気軽に購入できるセレクトショップ「コト コト STORE」があります。プラモデルファンにはおなじみのタミヤが監修する模型工房でも体験メニューを用意しています。

【駿府の工房 匠宿】
住所:〒421-0103 静岡県静岡市駿河区丸子3240-1
電話:054-256-1521
営業時間:10:00〜19:00
定休:月曜、年末年始
料金:入場無料
駐車場:無料駐車場あり
公共交通機関のご案内:しずてつジャストライン
JR静岡駅北口7番線のりば
中部国道線「丸子営業所経由岡部営業所・藤枝駅行き」にて
「吐月峰駿府匠宿入口(とげっぽうすんぷたくみしゅくいりぐち)」降車、
徒歩約5分
 

江戸時代にタイムスリップ!?「元祖 丁子屋」で丸子宿の名物とろろ汁に舌鼓

宇津ノ谷峠に続く山並みを背にした茅葺き屋根の「元祖 丁子屋」は、歌川広重の浮世絵から抜け出してきたかのような佇まい

丸子宿の名物、とろろ汁。宇津ノ谷峠越えの旅人は、栄養豊富なとろろ汁で精を付けました。丸子宿で400年続く老舗「丁子屋」は、今に至るまで丸子宿の名物料理を提供し続けています。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」では、弥次さん喜多さんはとろろ汁を食べ損ねてしまいました。その場面で詠まれた狂歌の碑が丁子屋の敷地内に建てられています。

卵と味噌、鰹節のだし汁で仕上げる丁子屋のとろろ汁。強い粘りが特徴です
囲炉裏のある「芭蕉さんの部屋」。ほかにも趣が異なる座敷席、テーブル席の部屋が揃っています
店内に併設した展示スペースでは、十返舎一九や歌川広重の作品を展示するほか、企画展やイベントも開催されます
おみやげにおすすめの、駿州堂「とろろ羊羹」。自然薯と白味噌がほんのり香る羊羹です
【元祖 丁子屋】
住所:〒421-0103 静岡県静岡市駿河区丸子7-10-10
電話:054-258-1066
営業時間:月〜金11:00〜14:00、土日祝11:00〜15:00(LO)、16:30〜19:40(19:00LO)
定休:木曜、月末の水曜、他不定休あり
駐車場:80台
公共交通機関のご案内:しずてつジャストライン
JR静岡駅北口7番線のりば
中部国道線「丸子営業所経由岡部営業所・藤枝駅行き」にて
「丸子橋入口」降車、徒歩約1分

弥次さん喜多さんに出会えそうな「岡部宿 大旅籠柏屋」

1階のみせの間では、旅人の到着時の様子を人形で再現しています。奥には台所や柏屋の家族の居住空間があります

丸子宿からバスにゆられて宇津ノ谷峠を楽々と越えたら、そこは岡部宿。旧東海道沿いに佇む「大旅籠柏屋(おおはたごかしばや)」は、地元の名士が経営する岡部宿を代表する旅籠でした。現存する建物は天保6(1835)年に棟上げされた記録が残り、国の登録有形文化財。江戸時代の旅の様子や、旅籠での過ごし方を紹介する資料が展示された主屋歴史資料館として保存、活用されています。

火災による2度の消失を経て1836年に再建された、全国的にも貴重な江戸時代の建物
客間がある2階には。旅人の携行品や東海道を解説したパネルや浮世絵が展示されています

大旅籠柏屋の、かつてお風呂があった場所は「お風呂の歴史体験棟」。江戸時代の旅とお風呂についてまとめたパネルや、お風呂の変遷がわかります。土日、祝日限定で、五右衛門風呂を模した足湯を体験することができます。

足湯は湯船に浮かんでいるスノコを踏んで足を浸けます
【お風呂の歴史体験棟】
開場時間/9:00〜17:00
料金/主屋歴史資料館の入館料が必要
※足湯体験は土・日曜、祝のみ。足湯の1回の定員は2名、当日申し込み順
※平日はお風呂の歴史に関する展示のみとなります

大旅籠柏屋に隣接した岡部宿内野本陣址は、内野本陣歴史広場として整備されています。建物は残っていませんが、門扉は再建。敷地は岡部宿本陣址として藤枝市の指定史跡(指定時は岡部町指定)となっています。

広場には、当時の建物の間取りを平面表示しています
【岡部宿 大旅籠柏屋】
住所:〒421-1121 静岡県藤枝市岡部町岡部817
電話:054-667-0018
営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
定休:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金:大人300円(中学生以下は無料)※主屋歴史資料館入館以外は無料
駐車場:あり
公共交通機関のご案内:しずてつジャストライン
JR静岡駅北口7番線のりば
中部国道線「丸子営業所経由岡部営業所・藤枝駅行き」にて
「岡部宿柏屋前」降車、徒歩約1分
 

地元の魅力満載の特産品を楽しむ

歴史資料館大旅籠柏屋に併設する隣の建物は「物産館かしばや」。地元の特産品や民芸品、工芸品などのおみやげを販売しています。柏餅やお団子などの甘味と甘酒など飲み物を販売するかしばや茶屋も併設しているので、見学後のひと休みもできます。

「大旅籠柏屋」に隣接した店舗。東海道に関連したグッズも販売しています
「大吟醸酒粕アーモンド」

かしばやオリジナル商品「大吟醸酒粕アーモンド」はここでしか買えない駿州堂ブランド。柏屋のすぐそばにある、静岡県内最古の酒蔵、初亀醸造の大吟醸の酒粕でアーモンドをコーティング。ほんのりとした甘みと香ばしさは、おやつにもおつまみにもぴったりです。

【物産館かしばや】
住所:〒421-1121 静岡県藤枝市岡部町岡部817
電話:054-667-5211
営業時間:9:00〜17:00(都合により閉店時間が早まる場合もあり)
定休:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
公共交通機関のご案内:しずてつジャストライン
JR静岡駅北口7番線のりば
中部国道線「丸子営業所経由岡部営業所・藤枝駅行き」にて
「岡部宿柏屋前」降車、徒歩約1分

藤枝宿のランドマーク。江戸時代以前から街道を見守る大慶寺の「久遠の松」

四方に広がる立派な枝振りの「久遠の松」は日本名松100選のひとつ

藤枝宿で、ひときわ目を引く大きな松の木があります。大慶寺の境内にある「久遠の松」です。樹齢は770年超。高さは約26m、根元の胴回りは7mを超える大木で、静岡県の天然記念物に指定されています。
鎌倉時代に日蓮聖人によって開山された大慶寺。客殿は、かの田沼意次の失脚後、破却された相良城御殿を移築したものです。客殿の玄関の一画にある賽銭式セルフ喫茶「一休茶房」は、6:00〜18:00の開門中、自由に利用できます。瀨戸谷の煎茶、久遠の松ブレンドティー、コーヒーなどをセルフで入れてひと休みできます。

「一休茶房」の利用料金は賽銭式で納めます。本棚に並ぶ住職が選んだ本で読書も楽しめます
二十四節気、七十二候に合わせ、季節のイラストをあしらった御朱印
【大慶寺】
住所:〒426-0025 静岡県藤枝市藤枝4-2-7
電話:054-641-1229
営業時間:6:00〜18:00(開門時間)
定休:無休
料金:境内自由
駐車場:あり
公共交通機関のご案内:しずてつジャストライン
JR静岡駅北口7番線のりば
中部国道線「丸子営業所経由岡部営業所・藤枝駅行き」にて
「千才」降車、徒歩約1分

十返舎一九愛用のすりこぎが残る、藤枝宿の老舗菓子司「紅家」

駿州堂「弥次喜多まんじゅう」は紅家の看板商品

先代店主まで代々「紅粉屋久右衛門(べにやきゅうえもん)」を名乗っていた、格式高い田中城御用菓子司の紅家。正確な創業年は不明ですが、江戸時代初期には藤枝宿の街道筋で菓子店を営んでいました。

「紅家」があるのは、藤枝宿本陣跡のすぐそばです
十返舎一九本人が愛用していたと伝わる携帯用のすりこぎ(通常はショーケースの中で展示しています)
甘党も辛党も満足する「弥次喜多まんじゅう」
長寿だった徳川家康にちなんで名付けた「長寿柿」人気の商品です
【紅家】
住所:〒426-0025 静岡県藤枝市藤枝4-1-9
電話:054-641-9071
営業時間:8:30〜18:00
定休:水曜
駐車場:あり
公共交通機関のご案内:しずてつジャストライン
JR静岡駅北口7番線のりば
中部国道線「丸子営業所経由岡部営業所・藤枝駅行き」にて
「上伝馬」降車、徒歩約1分

まとめ

JR静岡駅を基点にして、丸子宿、岡部宿、藤枝宿をめぐるプチトリップ。江戸時代から残る宿場町の建物や風景のほかにも、工芸体験や名物グルメなど、街道の魅力を堪能できます。日本遺産【日本初「旅ブーム」を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅 〜滑稽本と浮世絵が描く東海道のガイドブック(道中記)〜】に認定されている「駿州二峠八宿」をめぐって、江戸時代の旅人気分を味わってみてはいかがですか?

 

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