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ホームスポット江戸時代の御殿の書院を復原! 静岡の通な歴史スポット「史跡小島陣屋跡」

江戸時代の御殿の書院を復原! 静岡の通な歴史スポット「史跡小島陣屋跡」

静岡市の知る人ぞ知る歴史スポット、史跡小島陣屋跡。現在、静岡市によって整備が進められています。史跡内には、城郭を思わせる高石垣が残るほか、江戸時代に使われていた御殿の一部が復原されています。実は貴重な歴史が詰まった小島陣屋跡、この記事では小島陣屋の楽しみ方をご紹介します。

小島陣屋と小島の街並み

小島陣屋とは?

静岡市清水区にある小島(おじま)陣屋跡は江戸時代中期に築かれ、小島藩主が生活と政治を行った場所です。
小島藩は、宝永元年(1704)に初代藩主・松平信治(まつだいらのぶはる)が陣屋を構えたことに始まり、以後明治元年(1868)までの164年間続きました。小島陣屋はその小島藩の藩主の住まい、そして藩政の場として造られました。ここ小島は駿河国と甲斐国をつなぐ身延道が通る場所であり、重要な場所でした。小島陣屋からは身延道や小島の集落を一望できます。

小島陣屋大手の高石垣

陣屋には珍しい?まるでお城な高石垣

小島陣屋を大手口から登ると、まず初めに4mの高石垣が目に入ります。陣屋とは、城郭と異なり軍事的施設をほとんど持たないのが一般的ですが、小島陣屋は石垣を持ち小さな城郭風のたたずまいをしています。石垣は大手だけでなく、段々状に築かれた平坦面(城郭の用語で曲輪)の周囲にもそれぞれ石垣が築かれており、見ごたえがあります。

大手口を最上段まで上がると、陣屋の中心である主郭が広がります。江戸時代には藩主の御殿だけでなく、藩士の屋敷や大切な書類や家宝を納める宝蔵などがあったとされています。現在は、御殿の一部(書院)が当時と同じ位置に復原され、中を見学することができます。この書院は、明治時代以降小学校や地元の公会堂として使われていましたが、令和6年11月に再び現地へ戻ってきました。大名陣屋の御殿を現地でみられるのは日本でも4例しかない希少なものです。

小島陣屋  書院 床の間
小島陣屋 書院 欄間

約100年ぶりに復原された御殿の書院

書院が現在の場所に移築される前に、柱などの部材に刻まれた痕跡や印などから、江戸時代にどのような構造や間取りをしていたかを調べる解体調査が行われました。調査の結果、書院には4つの部屋があり、それぞれ政務を行った書院・応接空間であった広間・生活空間であった中奥の機能を持っていたようです。こうした機能が一体的にまとめられた御殿は全国的にも珍しく、1万石大名の実状を垣間見ることができます。

外に出ると、屋根には藩主滝脇松平氏の家紋である桔梗をあしらった瓦が見られます。この瓦は、当時から葺かれていたものを活かしながら、破損してしまったものは新たに補っています。

小島陣屋 書院 桔梗が施された屋根瓦 その1
小島陣屋 書院 桔梗が施された屋根瓦 その2

小島藩ゆかりの人物~恋川春町~

江戸時代の中頃に戯作者・浮世絵師として活躍した恋川春町は小島藩の藩士でした。恋川春町の名は、江戸藩邸のあった「小石川春日町」(現:東京都文京区)の地名から名乗ったといわれています。春町は作品を世に出しながら、役人としても藩政の中枢で活躍していました。日頃は江戸で働いていたようですが、一時期小島で年貢取り立ての責任者を務めていた記録も残っています。

春町の作品は、令和7年の大河ドラマの主人公、蔦谷重三郎によって刊行されていました。春町は寛政の改革・出版統制令で取締りを受けますが、重三郎もまた同様に取締りを受けていました。春町の代表作「金々先生栄花夢」を出版した鱗形屋孫兵衛は重三郎の本づくりの師でもあり、大河ドラマに登場する2人に密接な関係があったようです。

まとめ

華々しい大名の城郭が全国に残る一方で、小大名の陣屋は市街化の影響を受けほとんど残っていません。小島陣屋のように史跡としてほとんどの範囲を整備されていく例は珍しく、歴史好きには特にオススメな知る人ぞ知る通なスポット。近くの龍津寺には、3代藩主昌信の墓が残っています。

ドライブやツーリングの休憩に、大名気分で陣屋や御殿を散策してみてはいかがでしょうか。

【史跡小島陣屋跡】
住所:静岡市清水区小島本町
電話:054-221-1069(静岡市文化財課)
営業時間:土日祝日9時30分から16時30分
定休:原則平日 ※平日は事前予約により開館します。
料金:無料
駐車場:あり 4台

〇国指定史跡「小島陣屋跡」HP(静岡市)
https://www.city.shizuoka.lg.jp/s3478/s005186.html
〇静岡市文化財課Instagram
http://www.instagram.com/shizuokacity_bunkazai/

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