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ホームスポット田沼意次ゆかりの地 牧之原市まち歩き【後編】意次ゆかりのグルメもご紹介!

田沼意次ゆかりの地 牧之原市まち歩き【後編】意次ゆかりのグルメもご紹介!

田沼意次ゆかりの静岡県牧之原市。かつての相良城の城下町には、意次の善政を伝える遺構や田沼家ゆかりの寺院が点在。意次にちなんだ蕎麦や最中など、散策のお供にぴったりなグルメにもに出合えます。今なお、地元の人に愛される意次の面影をめぐってみましょう。

この記事の前編はこちら↓


相良城の貴重な遺構、大書院の杉戸を所蔵する「般若寺」

相良城御殿大書院にあった杉戸を保存する般若寺

城下町からは少し離れた般若寺。江戸時代末期に建てられた本堂では、相良城の遺構のひとつ、御殿大書院の杉戸を見ることができます。本堂に向かって右は「竹林に虎」、左は「牡丹に鳳凰」。徳川10代将軍家治の御用絵師、狩野典信(みちのぶ)が描いたと言われています。
相良城が破却された後、その遺物の多くは散逸してしまいましたが、杉戸は田沼家を慕う人々によって難を逃れ、般若寺に寄進されたと考えられています。通常、襖は2枚や4枚で1セットになっていますが、この杉戸は3枚ずつしかなく、絵の繋がりから見ても、もう1枚ずつあったものではないかと推察されます。

「竹林と虎」
「牡丹と鳳凰」

般若寺には、田沼意次が相良城築城時に江戸の職人につくらせた陣太鼓も保存されています。その音の大きさと美しさから、相良沖に現れた海賊が、陣太鼓の音を大砲の音と勘違いして逃げていったという逸話があります。

杉戸の裏には獅子も描かれています
意次時代につくられた陣太鼓。胴の部分には田沼家家紋の「七曜紋」が残っています

大きな音がするのは中に金塊が入っているからと噂があり、大正初期、この陣太鼓は盗難に遭ってしまいます。盗賊は中を確かめるため、太鼓の皮を切り裂いてしまいました。しかし、そのおかげで胴の内側に記された銘が明らかとなり、明和4年の作とされたことで、間違いなく意次の時代のものと判明しました。

【般若寺】
住所:〒421-0526 静岡県牧之原市大沢695-1
電話:0548-52-1602
営業時間:境内自由
駐車場:あり
ホームページ:https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/site/kanko/48207.html

相良城の材木を使って建てられた本堂が残る「大澤寺(だいたくじ)」

相良城の木材を再利用して建てられた大澤寺の本堂

かつて、高天神城の南東にあり本楽寺と称していた大澤寺。第二次高天神の戦いの際に消失し、徳川家康から相良の地を与えられ移転、大澤寺と改称しました。その後も火災により2度の消失を経て、現在の地に再建されたのは、相良城が破却されてから5年後の1793年のことでした。本堂の床下の基礎には、ほぞ穴が残る相良城の木材が使われています。木材以外にも本堂の礎石、寺の周囲の石垣、門柱なども再利用されて今に残ります。また、本堂の内陣と外陣の間には柵が設けられていますが、これも相良城の旗指物に使う竹竿を使っているそうです。

ほぞ穴が残る基礎材は、床下にもぐって見学できます
本堂の内部。左右にある金碧障壁画(ふすま絵)は、江戸後期に遠州で活躍した丸尾月嶂の作
地に金箔を貼った豪華な金碧障壁画「牡丹孔雀図」
田沼意次の娘が寄進したと伝わる太鼓。相良城の時太鼓だったと考えられています
【大澤寺】
住所:〒421-0523 静岡県牧之原市波津808-6
電話:0548-52-0657
営業時間:境内自由
駐車場:あり
ホームページ:https://www.daitakuji.jp/

田沼家が雨乞いをした祈願所「浄心寺」

1624年開創の浄心寺。本堂は2016年に改修。260年ぶりの一大事業でした

浄心寺は、江戸時代初期、京都・伏見出身で、相良湊で回船業を営んでいた西尾源兵衛が、先祖の菩提を弔うために日蓮宗に帰依して開創しました。のちに、同じく日蓮宗を信仰していた田沼家の祈願所として、雨乞祈祷などで厚く崇敬されました。寺宝に田沼家が寄進した御曼荼羅があり、通常非公開ですが、2025年1月26日から牧之原市史料館で開催の「田沼意次新時代展」で公開されます。

日照りの年だった天保10(1839)年に、意次のひ孫・意尊(おきたか)が寄進した自筆の雨乞曼荼羅
文政7(1824)年、意次の四男・意正が寄進した「蒙古退治の図」

山門の欄間に彫られた龍の彫刻は、地元出身の画家・寺田洞仙の作と伝えられる、牧之原市の指定文化財です。また、江戸時代中期の発明家、平賀源内は誤って人を殺してしまい投獄され、獄中死したと伝わりますが、田沼意次が相良に匿い生き延びたという説もあります。浄心寺の墓地には、平賀源内のものと伝わる墓があります。

そこだけ時が止まったかのように佇む山門
山門の欄間。龍の彫刻はケヤキの1本彫り。立体的で迫力があります
平賀源内の墓は。真相はいかに!?
【浄心寺】
住所:〒421-0521 静岡県牧之原市福岡62
電話:0548-52-4415
営業時間:境内自由
駐車場:あり
ホームページ:https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/site/kanko/48211.html

相良の町で四代に渡りのれんを守る老舗蕎麦店「壽亭(ことぶきてい)」

牧之原市史料館からも近く、城下町散策途中のランチにおすすめ

明治18年創業の壽亭。細切りに揃えられた、つるっとしたのど越しの更科系の蕎麦が人気です。数種類のかつお節を使っただしと、代々伝わる少し甘めのかえしでつくるつゆが程よく絡み、蕎麦の繊細な味に奥行きを添えます。
田沼意次にちなんだ天ざる蕎麦の「田沼蕎麦」は、先代が考案。輪島塗に田沼家の家紋「七曜紋」を金であしらった器で提供される、田沼家の子孫も公認の看板メニューです。自慢の蕎麦とサクサクの天ぷらは相性が抜群。地元民はもとより、遠方からも蕎麦好きのファンが足を運びます。

「田沼蕎麦」1450円。打ち立ての蕎麦はしゃっきり、つるつる
焼津産の鰹節をたっぷりのせた「梅おかかおろし」1250円。さっぱりとした味が食欲をそそります
店内は純和風の落ち着いた雰囲気。座敷席もあります
【壽亭】
住所:〒421-0592  静岡県牧之原市相良350
電話:0548-52-0241
営業時間:11:00〜14:00、17:00〜20:00
定休:水曜
駐車場:あり
Facebook:https://www.facebook.com/kotobukitei/

名物は陣太鼓最中。伝統の味を受け継ぐ「扇子家(おおぎや)」

田沼意次ゆかりの陣太鼓にちなんでつくられた「陣太鼓最中」

初代が創業した大正6(1917)年からつくり続けている「陣太鼓最中」は、扇子家の代表銘菓。陣太鼓を模した最中の皮は、餅を型に挟んで焼き上げ、サクッとした食感とほのかな甘みを感じる香ばしさが特徴。中にぎっしり詰まった大納言小豆の粒あんも、季節や天候によって炊き方を微調整するこだわりで、初代の味を受け継いでいます。

「陣太鼓最中」160円。香ばしい皮とさらりとした甘みの粒あんが、絶妙なバランスで美味しさを引き立てあいます
「田沼茶羊羹」190円。意次が推進した金融政策の功績にちなんで金箔をトッピングしています
伝統的な和菓子と独創的な洋菓子、焼き立てパンなど、商品が豊富。お客様がひっきりなしに訪れます
【扇子家】
住所:〒421-0521 静岡県牧之原市福岡4
電話:0548-52-0218
営業時間:8:30~18:30
定休:水曜
駐車場:あり
Instagram:https://www.instagram.com/o_giya.sweets/

まとめ

城下町をめぐる“ぶらり田沼の旅”では、田沼家や相良城ゆかりの品を保存している寺院や、お店の看板メニューから、相良の人たちがいかに田沼意次を慕っているかが感じられました。牧之原市史料館では、2025年1月26日から「田沼意次の新時代展」及び「大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』展・静岡まきのはら」を開催します。近年、評価が見直されている田沼意次ゆかりの地に、ぜひ足を運んでみてください。

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