岳南電車は吉原駅から岳南江尾駅まで全10駅を結ぶ全長9.2kmの鉄道路線。ローカル電車として街に根付いた地元の足であり、景色であり、どこか懐かしく、温かな気持ちにさせてくれる癒やしの路線です。
しかし、その一方で時折見せる“攻めのスタイル”に目が離せない注目のローカル線。今回はそんな岳南電車の楽しみ方を存分にご紹介します。
まずは静岡らしく“全10駅どこからも眺められる富士山”
タイトル通り、どの駅からも富士山を見ることができるのは、県内の路線の中でも他にはない自慢のポイント。ぜひこの楽しみ方を知り、全駅・全富士山を写真に収めて欲しいですね。
駅ごとに異なりますが、例えば吉原駅であればホームに“富士山ビュースポット”と一目でわかるマークが記されているので、ここに立って前を向けば、富士山のご機嫌さえ良ければそのお姿が見られるというワケ。
取材当日は富士山に雲がかかってしまっていました。
住宅の間に見える富士山、工場越しの富士山、時には頭しか見えない富士山や半身しか見えない駅も…。でもそれもご愛嬌。本気の富士山を収めるなら、本吉原駅からの富士山ビューは絶景ですし、岳南富士岡駅では渋カワイイED501とED291とともに写真に収めることもできます。
ぜひ各駅に降り立って、富士山ビューを楽しんでください。
岳南電車の“レトロ”を楽しむ
チラリと車両が登場しましたが、岳南電車の魅力はそのレトロさにあると言っても過言ではないでしょう。
ローカル感あふれるのどかな駅舎を前に、何だろう、この安堵感。まるで映画のワンシーンに登場するような昭和の雰囲気。「Suikaでピッ」ICカードの利用なんてNG。乗車券は昔ながらの厚紙切符。駅員さんに1枚ずつ改札パンチで切り込みを入れてもらいましょう。
各駅停車ながら車掌が乗車しない“ワンマン運転”で走るため、駅員の居る駅と居ない駅とでは、乗り方も違うので途中乗車の際は気をつけて。無人駅では乗車口の文字がある場所で電車を待ち、乗車後は整理券を取りましょう。降りる際は運賃箱に整理券と運賃を投入します。
次に駅舎。どの駅からも郷愁を誘われますが、中でもレトロさ極まる岳南富士岡駅には車庫があり、こんなかわいらしいショットが撮れることも。
7000形、8000形、9000形、電気機関車など鉄ヲタの皆さんにもきっと喜んでもらえる車両を保有しています。
“岳鉄限定!! オリジナルグッズ”を買おう
駅構内には鉄ヲタならずとも気になる、ストラップやボールペン、コーヒーやキャンディーなどかわいらしいグッズがずらりと並び、これだけでもワクワクしちゃいますね。
立派な「御朱印帳」も。富士山で育ったヒノキと京都の高級和紙で作られ、ヒノキの香りも良いですね。こうなると、ただただテンション爆上がり。
オリジナルグッズは吉原駅(8:00〜21:00)、吉原本町駅(7:00〜17:30※土休日〜17:00)、本社での販売のほか(一部取り扱いがない場合もあり)、オンラインショップからも購入できます。
岳鉄ならではの“攻めのイベント”を楽しむ
岳南電車の有名イベントといえば「夜景電車」。
毎月第1・3土曜に運行している「夜景電車」は、車内照明もライトダウンし、暗闇に包まれた工場灯りが流れる景色や静寂な夜景を眺めたり、懐かしい昭和の駅舎や車両を観察したりと、夜景観光士の話を聞きながら、ノスタルジーにどっぷりと浸ることができます(予約制)。
光る切符、夜景電車乗車証明書、ミネラルウォーターのお土産付き。
そして、ツアーの中でも特に好評なのが、貸切夜景電車「ナイトビュープレミアムトレイン」。完全予約制・座席指定なのでゆったりとした時間を過ごせます。
車両の全照明を消灯し、車内は揺れる紙灯篭の灯りのみ。
夜景ビュースポットや特定駅での下車など、特別ダイヤ・貸切電車ならではのワンランク上のツアーを愉しめるのが魅力です。
こちらのツアーには、ナイトビュープレミアムトレイン限定往復乗車券、岳南オリジナルラベルミネラルウォーター、オリジナルコーヒー「夜景電車ブレンド」のほか、写真には写っていませんが、岳鉄焼印入りどら焼きも。うれしいお土産付きです。
そのほか、最終電車運転後に普段は立ち入ることができない線路を歩く「岳鉄ナイトウォーク」や、終電後の吉原駅ホームに滞在し車両内で過ごせる「ナイトステイホームin吉原」、大人限定・貸切走行中の機器が発する音を録音できる「音鉄トレイン」など、規格外の企画を放出する岳南電車。ほかにはない攻めのイベントにファン続出間違いなし。定員オーバーになる前にソッコー予約しましょう。