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皆さんに静岡県のおすすめスポットを紹介する本ブログ。
今回は静岡県静岡市清水区にある『三保の松原』を詳しくご案内していきます。
三保の松原は、JR東海道線の清水駅から南東に位置する三保半島にある景勝地です。
その美しさから、日本新三景、日本三大松原にそれぞれ選ばれ、国の名勝としても指定されています。また、歌川広重をはじめとする浮世絵師、歌人や俳人などの多くの作品の題材にもなっており、古くからその景観が人々の心を楽しませてきました。
そして、2013年にユネスコの世界文化遺産「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」の構成遺産に登録されたのは、まだ記憶に新しいところです。
他にも三保の松原には「天女の羽衣」伝説が伝えられています。漁師と天女の出会う物語は、後述の”三保には縁結びに関係した”神社があるところに繋がります。
それでは、旅をはじめましょう。
清水駅で出迎えてくれるのは、国民的人気漫画のあの子?
JR東海道線の清水駅の改札を出て、左側(南口=江尻口)に進むとまず目に入るのが、階段の壁に描かれた漫画家さくらももこ先生の茶っきり娘のイラストです。
そう、この静岡市清水区(旧:清水市)は、さくら先生の生まれ故郷。あの国民的人気漫画の舞台となった街なのです。
ほのぼのした温かいイラストにほっこりしつつ階段を下りたら、右側に進んでみてください。
ちょうどバス停にさしかかるくらいで足元を見ると、ここにはあの子?の笑顔が。
さくら先生の生前、最後の仕事の一つで、マンホール用に2つのイラストが寄贈されました(もう一つは静岡市の商業施設『セノバ』の近くにあります)。
ファンならずとも、カメラにおさめておきたいですね。
大きく開けた駿河湾を見ながら、しばしまったりと
国道1号線から149号線~150号線~199号線を利用して三保半島に辿り着きました。
三保の松原には無料の大きな駐車場が完備されています。
晴れた日なら、清水駅前商店街で自転車(なんと電動アシスト付き!)を借りてサイクリングしても気持ちいいかも。
小高い丘を上がり、大きな松のうねりの迫力に圧倒されつつ浜辺へ。
開けた視界に入ってくるのは、波のせせらぎと駿河湾の美しい青の大パノラマ。
そして、、、
この日は残念ながら、富士山をはきれいに見えることはできませんでしたが、先人たちも愛したこの美しい景色がしばし時間を忘れさせてくれます。
何十年、何百年と変わらぬ風景…、なんだかタイムスリップした気分です。
海岸には羽車神社という小さな神社があります。
この神社、実は天より羽車に乗ってきた神様が、まずここに降り立つといわれる神聖な場所。いわゆるパワースポットの一つです。
ふと足元をみると神社の付近にはたくさんの石があります。一見、どこの海岸にも落ちている石に見えますが、中にはまるでハチマキをしたような、白い一本のスジがある石が混じってませんでしょうか。この石、地元では「はちまき石」とよばれ、願い事が叶う石としてお守りに持ち帰られ、願いが叶ったら羽車神社に返しにくる慣習があるそうです。
ぜひ探してみてください!
静岡市のソウルフード「あべかわもち」に舌鼓み
美しい景色で心が満たされたら、今度はお腹を満たしたくなりました(笑)。
丘を下る階段の途中、とっても威勢のいい呼び込みの声が。
思えば行きの時も元気よく声をかけて送り出してもらったな。よし、寄ってみよう!
いちまる水産さんを覗いてみると、地元のお土産品が店内にいっぱい。
よく見れば、なんと静岡市民のソウルフード「あべかわもち」がお茶付きでいただけるではないですか!しかもきなことあんこを一度で両方味わえるなんて、これは嬉しい!
旅すれば、触れ合うのも何かのご縁。ご主人、軽快で楽しいトークありがとうございました。
まっすぐな「神の道」で運気上昇の予感
お腹がいっぱいになったので、少し歩いてみることにしました。
いちまる水産さんを出てすぐに目に入るのがまっすぐ伸びる遊歩道。駐車場までの道に並行しています。およそ500mにわたって樹齢200~400年といわれる老松に囲まれた厳かな松並木、通称「神の道」です。
こちらも時間の経過を忘れるかのような神秘的な雰囲気があり、何やら心が洗われるよう。
見どころは神の道の途中に現れる斜めに生える松の木。自然の力を見せつけられます。
神の道の先には今回のもう一つの目的、御穂神社が待っています。
縁結びの「御穂神社」は、実は他にもご利益多し
神の道の終着点にたたずむのは、御穂神社。
古くはヤマトタケルが東征のおりに立ち寄ったと伝えられる古社で、なんと平安時代の書物にも記録が残っています。
古来より信仰を集め、現在も良縁成就、商売繁盛をはじめ、開運厄除、無病息災、良縁成就、安産祈願(安産子育)、交通安全、家内安全などから、海の神としてまで信仰されています。
本殿:三保の羽衣伝説にあやかって、夫婦和合・縁結びのパワースポットとしても人気です 。
実はここには、羽衣の切れ端が所蔵されているとも言われています。
神馬:子供の守り神・なんでも叶う叶え馬です。
子供が下をくぐると夜尿症が治るといわれていますが、この日は残念ながら奥にしっかりしまわれていました(涙)。
子安神社:安産・子育て・子宝の神様。昔から安産の祈願やお礼参りとして底を抜いた柄杓を奉納する風習があり、水がつかえず軽くぬける如くに楽なお産が出来ますようにとの願いが託されているとのこと(案内板より)。
八雲神社・神明社・八幡神社合殿:人の社会を守る神々が祀られています(案内板より)。一つの神社(敷地内)で、実に様々な願いに対応できるってすごい!
最後は「みほしるべ」でちょっと真面目に三保を知る
御穂神社で願掛けをし再び神の道を戻ると、駐車場に併設されたまだ新しいモダンな建物があります。
静岡市三保松原文化創造センター、通称「みほしるべ」です。
目に見える部分には主に木材が使用されており、三保の景観を損なわず調和するように作られています。
特にこの特徴的な通り土間はとても開放的で、この日も暖かな日差しが差し込んでとても気持ちがよかったです。
中の展示スペースでは、三保の歴史や文化、信仰、そして保全についてわかりやすくまとめられていて、先人から受け継がれてきたこの大切な遺産を、私たちも未来に向けても守り継がなければいけないなという、身が引き締まる思いがしました。
ユネスコ世界遺産登録の際の貴重な証明書も掲示されています。
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三保の松原、いかがでしたでしょうか。
今回は空気の澄んだ冬の三保の松原をご案内する形になりましたが(富士山をお見せできなかったのが本当に残念です…T_T)、三保には海水浴場が二つもあり、夏はもう少しレジャー寄りの気分で三保に足を運んでもよいかも。
周辺には他にも東海大学海洋科学博物館や灯台などもあり、三保半島はまだまだ見どころ十分です。
ぜひ遊びに来てください。